歯科(歯の)クリーニングの費用|自費と保険の違い、メリットなど解説【伊藤 貴博医師監修】

「歯のクリーニングの費用相場は?」「受けるとどんなメリットがあるの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。
定期的にクリーニングを受けている方は決して多くないかもしれませんが、お口の健康を保つうえでとても有用な処置です。
本記事では、歯のクリーニングとは何か、費用相場やメリットについてわかりやすくお伝えします。
ぜひご一読のうえ、安心して歯科クリーニングを受けてみてください。
歯科(歯の)クリーニングとは

歯科クリーニングとは、毎日の歯みがきでは落としきれない汚れを、歯科医院で専用の器具を使って取り除く処置のことです。
お口の中にはプラーク(歯垢)や歯石、ステイン(着色汚れ)など、さまざまな汚れが付着します。
なかでもプラークやバイオフィルムはむし歯や歯周病の主な原因となり、歯石はプラークが付きやすい環境をつくるため、放置するとお口のトラブルにつながることがあります。
一方、ステインは主に飲食物やたばこなどによる表面の着色汚れです。
こうした汚れの種類や付着している場所に合わせて、適切な方法でクリーニングを行うことが大切です。
ここでは代表的な3つの方法「スケーリング」「PMTC」「エアフロー」について、それぞれの特徴をわかりやすくご紹介します。
歯のクリーニングの種類①:スケーリング
スケーリングとは、歯面に付着した歯石やプラーク、その他の沈着物を、専用の器具で機械的に取り除く処置のことをいいます。
歯石はプラーク(歯垢)が唾液中のカルシウムなどと結びついて石のように硬くなったもので、歯にしっかりと付着しているため、自分ではほとんど落とすことができず、歯科医院での除去が必要になります。
スケーリングで主に落とすのはこの「歯石」で、歯ぐきより上に付着している白っぽい歯石(縁上歯石)だけでなく、歯周ポケットの内側にできる黒っぽく硬い歯石(縁下歯石)が対象になることもあります。
歯周ポケットの内側に付着した歯石については、必要に応じてスケーリング・ルートプレーニングなどの歯周基本治療として除去することがあります。
一般的には、「歯の裏側がザラザラする」「歯みがきのときに歯ぐきから血が出る」「歯周病検査で歯周ポケットが深いと指摘された」といった場面で行われやすい処置です。
歯のクリーニングの種類②:PMTC
PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)とは、歯科医師や歯科衛生士が専用の機器と研磨剤を使って、歯の表面に付着したプラークや着色汚れを清掃・研磨する処置のことです。
毎日の歯みがき(ホームケア)では届きにくい部位を中心にきれいにすることで、むし歯や歯周病になりにくいお口の環境を整えていきます。
清掃の中心となるのは、歯と歯のすき間、歯ぐきのきわ、奥歯のさらに奥側、矯正装置のまわり、歯並びが重なっている部分など、ふだんの歯みがきでは磨き残しが起こりやすい場所に残ったプラークや着色です。
スケーリングで歯石を取り除いた後の仕上げや、定期的なメインテナンス、着色や磨き残しが気になる方に向いている処置といえます。
歯のクリーニングの種類③:エアフロー
エアフローとは、水・空気・微細なパウダーを歯の表面に吹き付けて、着色汚れやバイオフィルム(細菌の膜)を落とす清掃方法のことです。
特にコーヒー、紅茶、タバコなどによってついた表面のステインを除去するのに用いられ、歯と歯のすき間に残る細かい汚れや、歯ブラシでは届きにくいバイオフィルムの除去も得意としています。
茶渋・ヤニ・ワインなどの着色が目立つ方や、矯正装置・被せ物のまわりに細かい汚れが残りやすい方に適しているほか、金属器具による振動やこすられる感覚が苦手な方にも選ばれることがある処置です。
歯科(歯の)クリーニングの費用相場

本項目では、歯科(歯の)クリーニングの費用相場をお伝えします。
保険診療の場合の費用相場と内容
保険診療で行う歯科クリーニングは、歯周病や歯ぐきの炎症などがあり、治療上必要と判断された清掃を行う場合に適用されるものです。
費用の目安は、3割負担の場合で初診時がおおむね3,000〜4,000円前後、2回目以降は1,500〜2,500円前後となることが多いですが、初診料の有無、歯周病検査やレントゲン撮影の実施、付着している歯石の量、処置の範囲などによって金額が変わります。
処置の内容としては、歯周ポケットの検査をはじめ、歯石を取り除くスケーリング、必要に応じて歯ぐきの内側に隠れた歯石の除去、機械的な歯面清掃などが中心となります。
厚生労働省の歯科診療報酬点数表においても、歯周基本検査・スケーリング・機械的歯面清掃処置などが定められています。
なお、保険診療は診断や処置内容に基づいて行われるため、見た目の着色除去や快適さのみを目的としたクリーニングは自由診療となる場合があります。
最終的な費用はお口の状態や処置の範囲によって異なる点に注意が必要です。
自由診療の場合の費用相場と内容
自由診療の歯科クリーニングは、見た目の着色除去や快適さ、予防ケアを目的として、歯科医院ごとに用意されたメニューに沿って行う清掃です。
公的医療保険は適用されないため、費用は医院ごとに異なります。
費用の目安は1回あたり5,000〜20,000円程度で、内訳としてはPMTCがおよそ5,000〜15,000円、エアフローが5,000〜11,000円程度が一つの目安となります。
処置の内容は方法によって異なり、PMTCでは専用のブラシ・チップ・研磨剤を使って歯の表面や歯と歯のすき間を磨き上げ、エアフローでは微細なパウダーと水流を吹き付けて着色汚れやバイオフィルムを除去します。
費用は、施術時間の長さ、PMTC単独で行うかエアフローを併用するか、フッ素塗布や歯ぐきのケアまで含まれているか、地域による相場の違いなどによっても変わってきます。
なお、PMTCやエアフローの取り扱い、使用する機器、料金設定は歯科医院によって異なるため、希望される場合は事前に確認しておくと安心です。
歯科(歯の)クリーニングを受けるメリット

本項目では、歯科(歯の)クリーニングを受けるメリットをご説明します。
むし歯・歯周病の予防・早期発見につながる
歯科クリーニングを受ける大きなメリットとしてまず挙げられるのが、むし歯や歯周病の予防、そして早期発見につながることです。
歯みがきだけでは落としきれないプラークやバイオフィルム、歯石を取り除くことで、う蝕(むし歯)や歯周病になりにくい口内環境を整えることができます。
また、クリーニングの際には歯周ポケットの深さ、歯ぐきからの出血の有無、磨き残しの傾向、詰め物のまわりの汚れなどもあわせて確認されるため、初期の歯周病や治療後の再発といった変化にも早い段階で気づきやすくなります。
症状が出てから治療を始めるよりも、定期的にお口の状態をチェックし、早めに対処できることは大きな安心につながります。
口臭の予防・改善に役立つ
歯科クリーニングは、口臭の予防や改善にも役立ちます。
口臭は本人ではなかなか気づきにくいものですが、その多くはお口の中に原因があるとされており、なかでも舌の表面に付着する舌苔(ぜったい)や、歯周病が大きく関係しているといわれています。
お口の中にプラークや歯石がたまった状態が続いたり、歯ぐきに炎症があったりすると、細菌が増えやすくなり、においにつながることがあります。
歯科医院でクリーニングを受けて汚れを取り除くことで、こうしたにおいの原因を減らすことができます。
歯石やプラークの付着が多い方、歯みがきのときに歯ぐきから出血する方、ご家族から口臭を指摘されたことがある方などは、一度歯科医院でお口の状態を確認してもらうとよいでしょう。
自分では取れない歯石や膜状の汚れを除去できる
歯科クリーニングには、歯ブラシでは取り除くことのできない硬い歯石や、歯の表面に張りついた膜状の汚れ(バイオフィルム)を、専門の器具できれいに落とせるという大きな利点もあります。
歯石は一度付着すると毎日の歯みがきでは取り除くことができないため、歯科医院で専用器具を使って除去する必要があります。
また、歯と歯のすき間、歯ぐきのきわ、奥歯のさらに奥側、矯正装置のまわり、歯並びが重なっている部分などは、どうしてもプラークが残りやすい場所です。
こうした磨き残しが起こりやすい部位こそ、歯科医院での専門的なクリーニングが大きな力を発揮します。
着色を落とし、歯本来の自然な美しさを保ちやすい
歯科クリーニングは、健康面だけでなく見た目の面でもうれしい効果が期待できる処置です。
歯の表面に付着した着色を取り除き、なめらかに整えることで、歯がもともと持っている自然な明るさや清潔感を保ちやすくなります。
コーヒー、紅茶、お茶、赤ワイン、カレー、そしてたばこのヤニなど、日常的に口にする飲食物や嗜好品が原因となる表面のステイン(着色汚れ)が主な要因であれば、クリーニングによって見た目のくすみが軽くなり、明るい印象を取り戻しやすくなります。
ホワイトニングのように歯そのものを白くする処置とは異なりますが、「歯本来の白さ」を保ち、清潔感のある口元をキープするうえで、定期的なクリーニングは有効な方法といえます。
歯科(歯の)クリーニングを受ける頻度の目安

本項目では、歯科(歯の)クリーニングを受ける頻度の目安についてお伝えします。
口腔内が良好な方
歯ぐきの状態が安定していて、ふだんから大きなトラブルが少ない方は、「3〜4か月に1回」を基本に考えると分かりやすいでしょう。
歯ぐきの腫れや出血が少なく、むし歯や歯石の付き方も安定している方であれば、3〜4か月に1回のペースを目安に通うとよいとされています。
お口の状態を保つためには、自覚症状がなくても定期的にチェックを受けることが大切です。
ただし、「下の前歯の裏側がすぐザラザラしてくる」「歯みがきのときに歯ぐきから血が出る」「いつも同じ場所の磨き残しを指摘される」といったサインが出てきた場合は、間隔を1〜3か月前後に短くすることを相談してもよいでしょう。
歯周病やむし歯リスクの高い方
歯周病やむし歯になりやすい傾向がある方は、「1〜3か月に1回」を目安に、少し短めの間隔で通うのがおすすめです。
歯ぐきからの出血が続いている、歯周ポケットが深い、もともと歯石が付きやすい、セルフケアが難しい部位があるといったケースでは、こまめに管理していくことが安心につながります。
「歯みがきのたびに血が出る」「歯ぐきが腫れている」「人から口臭を指摘された」「冷たいものを口にするとしみる」「詰め物のまわりに何度もむし歯ができてしまう」といったサインがある場合も、早めに歯科医院へ相談しましょう。
着色汚れが気になる方
コーヒーや紅茶、お茶、赤ワイン、たばこなど、日々の生活で歯に着色がつきやすい方は、生活習慣や見た目の気になり方に合わせて通う間隔を調整するとよいでしょう。
まずは3〜4か月ごとのメインテナンスを一つの目安とし、着色の付きやすさや希望する仕上がりに合わせて、歯科医院でお口の状態を確認してもらいながら決めるのがおすすめです。
歯の表面に付いた着色を落としたい場合はPMTCやエアフローについて歯科医院で相談し、歯そのものの色をもっと明るくしたい場合は、別の処置となるホワイトニングを検討するとよいでしょう。
歯科(歯の)クリーニングについてよくある質問

本項目では、歯科(歯の)クリーニングについてよくある質問に回答します。
歯のクリーニングだけで予約しても大丈夫ですか?
結論からお伝えすると、歯のクリーニングを希望して歯科医院を予約すること自体は、まったく問題ありません。
「歯石を取りたい」「着色汚れを落としたい」「定期的なクリーニングを受けたい」といった希望を予約の時点でお伝えいただければ、歯科医院側でお口の中を確認したうえで、必要な検査や処置について説明してくれます。
ただし、保険診療で行えるか、自由診療になるかは、お口の状態や処置の目的によって異なります。
予約時に希望を伝えておくことで、当日の処置内容や費用に「思っていたものと違った」というずれが起こりにくくなります。
きちんと歯みがきできていれば歯のクリーニングは受けなくても問題ありませんか?
毎日きちんと歯みがきができているのであれば、それはとても素晴らしいことですが、それでも定期的に歯科でクリーニングを受けていただいた方が安心です。
いったん硬くなってしまった歯石や、歯と歯のすき間、奥歯のさらに奥側、歯ぐきのきわなどに付着した汚れは、ご自身のケアだけでは完全に落としきれないことがあります。
プロの目でチェックを受けることで初めて気づくサインもあり、必要に応じてブラッシング指導を受けることで、ご自宅でのケアを見直すきっかけにもなります。
自由診療のクリーニングは保険のクリーニングより効果がありますか?
「自費のほうが高いから、保険のクリーニングよりも効果があるはず」と思われがちですが、自由診療が一律に「上」というわけではありません。
保険診療は、歯周病や歯ぐきの炎症など、治療上必要な場合に行うものが中心です。
一方、自由診療のクリーニングは、着色汚れやバイオフィルム、歯の表面のざらつきまで、時間をかけてていねいに整えていきたい場合に選びやすい方法です。
歯ぐきからの出血や歯石の付着が主な悩みであれば保険診療、茶渋やヤニ、見た目のくすみ、仕上がりのつるつる感などを重視したい場合は自由診療を相談するとよいでしょう。
クリーニングを受ける前後で気をつけたほうがいいことはありますか?
クリーニングを受けるときは、「受ける前は気になる症状をしっかり伝える」「受けた後は医院の指示に沿って過ごす」と覚えておくと分かりやすいでしょう。
予約時や処置前には、歯ぐきからの出血、しみる場所、気になる着色や口臭、妊娠中であること、持病の有無などを伝えておくと安心です。
処置のあとは、フッ素塗布を行った場合などに、医院の指示により30分程度は飲食やうがいを控えるよう案内されることがあります。
また、着色が気になる方は、クリーニング当日はコーヒー、紅茶、赤ワイン、カレーなど色の濃い飲食物や喫煙を控えめにするとよいでしょう。
痛みが強い、出血がなかなか止まらない、噛むと痛みがあるといった場合には、早めに歯科医院に相談してください。
ホワイトニングとクリーニングは何が違うのですか?
クリーニングとホワイトニングは混同されやすい処置ですが、その役割は大きく異なります。
簡単に整理すると、クリーニングは「歯の表面に付いた汚れを落とす処置」、ホワイトニングは「歯そのものの色を明るくする処置」です。
クリーニングは、歯石やプラーク、茶渋やヤニといった歯の表面に付着した汚れを取り除く処置で、歯のザラつきや表面の着色、口臭などが気になる場面に向いています。
一方ホワイトニングは、薬剤を使って歯の色そのものを明るくする処置です。
「歯の色をきれいにしたい」とひと口にいっても、表面の汚れを落としたいのか、歯そのものの色を明るくしたいのかによって適した処置が変わるため、まずは目的をはっきりさせて歯科医院に相談するとよいでしょう。
まとめ

歯科クリーニングとは、毎日の歯みがきでは落としきれない歯石・プラーク・着色などを、歯科医院で専用器具を使って取り除く処置です。
代表的な方法には、歯石や沈着物を除去する「スケーリング」、歯面を専用機器と研磨剤で清掃する「PMTC」、微細なパウダーで着色やバイオフィルムを落とす「エアフロー」があります。
費用は、保険診療なら3割負担で数千円、自由診療では1回5,000〜20,000円程度が目安です。
ただし、保険診療は治療上必要と判断された場合に行われるもので、見た目の着色除去や快適さを主な目的とする場合は自由診療となることがあります。
定期的に受けることで、むし歯・歯周病の予防や早期発見、口臭の改善、着色除去による自然な白さの維持など、健康面・見た目の両面でメリットが期待できます。
通う頻度は3〜4か月に1回を一つの目安とし、歯周病やむし歯リスクが高い方、着色が気になる方は状態に合わせて相談するとよいでしょう。
なお、表面の汚れを落とすクリーニングと、歯そのものを明るくするホワイトニングは目的が異なります。
「自分に合ったクリーニングを安心して受けたい」という方は、ぜひ板橋区大山の遊座大山デンタルオフィスへご相談ください。
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